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隠岐の風 その9

2008/07/29 [18:15]

波が岩を食べる。遠い年月の為す造形。我々とは生きるスパンが違うのだ。


隠岐一の景勝地、国賀海岸へ行ってきました。
のどかに広がる牧草地が突如、はるか下の海に向かって落下しています。
よく牛が落ちないものだ。
「摩天崖」と名付けられた257メートルの崖は、海食崖として日本一の落差だそう。
遮るものが何もない日本海の真ん中で、
特に冬の強烈な北西の風と波に、硬い隠岐の火山岩も、削り取られて消えています。
じっと見ていても何も変化ないですが、
こうしている間も侵食はずっと起こっているわけですね。ゆっくりゆっくりと。
悠々とした地球の営みに比べて、我々の一生のなんと短いこと。
こういう圧倒的なもの、絶対かなわないものに出くわすと、逆に、
オレはオレで頑張ろう。
といった感じの、恥ずかしい、しかし大事な、勇気が湧きます。
いつかもう一度ここを訪れるとき、
おそらく崖の形状に見て分かるような変化はないでしょう。
しかしこちら側には、
今より年を取って、少しは成長して、
願わくば何ものかになった僕が居るはずです。
さて隣を歩くのはどこの誰か?




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