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隠岐の風 その2

2008/07/19 [22:03]

「じゃあ、食事はいつもどうしてるの?」 「一応バーナーと鍋と持ってるんで。いまも何か作って食べようとしてます…」


中村海水浴場のキャンプ場で迎えた朝、
僕の<隠岐の島のお母さん>となる女性が、
朝から快活に話し掛けてきました。
「なら、良かったらうちで食べていきんさい!」
「ほんとですか!…うれしい、です!」
北海道でよくしてくれたニヒルドライバーYさんのアドバイス「ひとの誘いは全て受けていったらいいよ、仮に自分の予定崩してでも。「たかって」いった方がいいよ。」
のとおりに旅を続けている僕は
つまらない自分の予定なんて白紙にして、
さっさと撤収作業を済ませて、お母さんの自転車に付いていきました。
「旦那さんとふたりしかおらんから気がねせんでいいしね!」「はい!」
「帰ったらまずシャワー浴びんさいね!」「はい!」
などと話しつつ、到着したのは築100年の味わい深い立派な日本家屋。
旦那さんと三人で食卓を囲み、おいしい朝ごはんを頂きました。
「まあゆっくりしていきなさい」
と、お父さんも優しく言ってくれ、
こういう場合、後に会ったご家族の対応が招かれた側としてはすごく気になるわけですが、
そんな僕の気持ちを察知してくれてもいるのか、
すぐに笑顔に迎えてくれて、うれしかったです。


聞けば、お父さんは現役の漁師さん。(見るからに海の男、のシブい風貌!)
福祉センターの所長さんだったお母さんは、九州小倉の出身。
どうやって出会ったの?という疑問を後々訊いてみたところ、
漁師のまえ、お父さんが船の機関士として、あちこちに航海していた頃、
下関のビアガーデン(!)で会ったんだそうです。
文通(!)で愛を深めた二人はその後結婚を決め、
お母さんははるばる海を渡り「隠岐の花嫁」になったわけですね。
…映画にしたいくらいです。


お母さんに海を渡らせたお父さんの魅力は、
35年たった今も勿論健在で、穏やかで人間味溢れるお人柄は、隠岐の深い森のように豊かで、素敵です。
一方、海を渡ったお母さんの度胸は、
「大して得意でもない」のに素人のど自慢大会に挑戦してあっさり予選突破して出場してみたり、
隠岐伝統の踊り(しげさ節?)をそば屋の店内で踊って僕に見せてくれたり、
そもそも海水浴場にいた若いへんなのを自宅に招いてくれているし、
底ぬけに明るくて、バイタリティ十分のお人柄は、こちらは夏の隠岐の青い海のように、光に満ちていて、素敵です。


その後は、布施の浄土が浦や、白島海岸、ローソク岩などなど、
島北部の景勝地にドライブで連れていって頂きました。
昼食は「あご」すなわちトビウオで取ったダシが美味しい「そば工房おみ」の手打ちそば。
客が来たら店を開ける、という都会ではあり得ないそば屋…、しかし味は確かでした。
店主がそばを打っている間、お母さんがそこらにあった皿となべぶたを使って前出の踊りを披露してくれ
本当に楽しかったです…!


写真はお父さんの商売道具、恵美丸。
中村での幸せな時間は、


…まだまだつづく



comment (6)

お腹が出ているサムソンにも席を譲ってあげたかったな。
世の中捨てたもんじゃありません。

しゃぶ : 2008/07/22 [20:09]

2時間ドラマ見てるような話やな。
お腹が出てきた嫁さんが、南海電車でおじさんに席を譲ってもらい、
『まだまだ世の中捨てたもんじゃない』と思った自分が
とてもちっぽけに思えました。

samson : 2008/07/21 [03:02]

おいしいもの十分いっぱい頂きましたよ!
心配までしてもらってしあわせです。大丈夫です。たくましく生きてます!

しゃぶ : 2008/07/20 [17:26]

テレビ大阪…
ローカルやないか!

しゃぶ : 2008/07/20 [17:20]

しゃぶさん・・旅たって行っちまってさみしいよ~。もう少し引き止めておいしいもの一杯食べてもらったらよかった~
と後悔してるよ。あれから御飯食べただろうか?どこで寝てるだろうか?心配だけどページを読む事を教えてもらったので、また楽しみもでき「生きることができるのだ」と感謝感謝です。

中村の天然ボケ : 2008/07/19 [23:22]

テレビ大阪で放送できそうなくらいいい話やね
つづきに期待ですわ

レフティ : 2008/07/19 [22:27]

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