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ホノホシの旋律

2009/02/05 [23:56]

ほとんど集落もまばらな奄美大島の南東端に位置する、ある浦に「ホノホシ海岸」はありました。


名前の奇妙さもさることながら、
砂浜っぽい雰囲気なのに一面に敷き詰められたのが砂でなく、丸い石の数々で、面白いです。(写真)
それは河原の石のよう。でも目の前に広がるのは紛れもなく海なのです。


ざっぱーーーーーっ
シャー…(カラカラカラ…)


波が寄せるときの音は普通の砂浜と同じですが、
返すほうの波は、水の音に加えて、無数の石を巻き込むので、石同士が触れ合って何とも心地よい音を立てます。
生まれてはじめて聞くこの音楽が猛烈に気に入って、
一晩中これを聞いていたくなり、まだ少し日は高かったものの、ここを本日の宿に決めました。


「こんないいとこは日本中さがしてもなかなか無いよ」
そう言って地元のおじさんが胸を張るので、
砂浜キャンプは特に大得意としながら北海道から一年半旅してきたことは何となく伏せつつ、
僕もここを絶賛して、おじさんと仲良く話しました。


食事やテントの設営、荷物の整理云々のルーティンワークをさっさと済まして、
暗くなるのと同時くらいには横になりました。
そしてホノホシの旋律に身を浸し、
たまに外に出ては満月に近い月を仰いで、
これが美しい夜でなくて何であろう!
これが旅の妙味でなくて何であろう!
と、満ち足りた思いを味わいました。


目をつむると音楽はうごきだす。
今こそ言い切ろう、
すべて音楽の原点は、寄せては返す波音にある。




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