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馬の岬

2008/11/30 [13:15]

江戸時代、宮崎の高鍋藩は、軍用馬の調達の為に県南部一帯に牧場を作り、都井岬(といみさき)にもその一つがありました。


牧場といっても、現在のサラブレッド馬のそれとは違い、
至って粗放な飼い方で、馬たちはほとんど勝手に食べて、勝手に生き、勝手に殖えていました。
その中から随時元気な奴を引っ張って軍用馬にしていたわけですが、
時代は代わり、藩はなくなり、都井岬の馬は、
同じような粗放な飼い方で、地元の民の農耕用の馬の供給元になりました。


そして戦争にも農耕にも馬は必要なくなった現在、
そのまま半ば放っておかれた都井岬の馬は、
(元々そうだったとも言えるが)ただ、普通に暮らしています。
都井岬。つまりここは「野生」の馬に会える岬。


草原と森と崖からなる、自転車であらかた回るのに1、2時間はかかりそうなわりと広いエリアに、
数頭の群れごとに分かれた馬たちが、
伸び伸びと草をはみ、至るところにオシッコウンコをし、たまに駈けています。
ムチなど打たれないで自分の意志で丘を駈ける馬の姿は、実に幸せそうでした。


ファッヒヒイーーーンー!
僕を驚かせて目の前の一頭が鳴くと、
呼応するんですね、遠くから幾つか鳴き声が聞こえてきました。
会話するんならすればいいのに、
投げ掛けっぱなしで、相手が鳴いても気にしないで、黙々と彼は草をはんでいました。


…自由!




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